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旅で使える沖縄方言、「にふぇーでーびる」と「なんくるないさ」

編集:365おきなわ編集部
旅で使える沖縄方言、「にふぇーでーびる」と「なんくるないさ」
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うちなーぐちとは、沖縄本島中南部を中心に話されてきた、沖縄の言葉(方言)です。 県の子ども向け解説では「しまくとぅば」と呼ばれ、組踊や琉球舞踊、沖縄芝居などの文化の元だと説明されています。

この記事の要点

  • 「にふぇーでーびる」は丁寧な「ありがとうございます」。過去の形は「にふぇーでーびたん」
  • 食事の挨拶は「くわっちーさびら(いただきます)」「くわっちーさびたん(ごちそうさま)」
  • 「なんくるないさ」は「なんとかなるさ」。相手の困りごとを軽く扱う言葉ではない
  • 挨拶は男性「はいさい」・女性「はいたい」。9月18日は「しまくとぅばの日」話す人が減っているため、県は9月18日を「しまくとぅばの日」に定め、残す運動を続けています。うちなーぐちは本島中南部の言い方を指すことが多く、宮古や八重山では別の響きになります。県のしまくとぅば教室は、短い母音が「あ・い・う」しかなく、「え」は「い」、「お」は「う」に聞こえる、とも書いています。旅先では完璧な発音より、意味と気持ちを知っておくことが大切です。

にふぇーでーびる

県のしまくとぅば教材では、「にふぇーでーびる」をありがとうございます、というお礼の言葉として載せています。買い物の会話例でも、金額を聞いたあとに「にふぇーでーびる」と返す形が出てきます。丁寧なお礼の響きがあり、店員や案内してくれた人への感謝に使われます。

「にふぇー/でーびる」と区切ると言いやすい、という人もいます。地域や丁寧さによって「にふぇーれーびる」「にふぇーどー」など、形が分かれます。教材には「いっぺー にふぇーでーびる」(誠にありがとうございます)、「にふぇーでーびたん」(ありがとうございました)も出ます。宮古では「たんでぃがーたんでぃ」、八重山では「にぃふぁいゆー」など、別の言い方が残っています。間違えても、興味を持って聞く姿勢自体が会話のきっかけになります。

食卓で使う言葉

県のしまくとぅば教室の「あいさつ」の表には、食事の前後に使う言葉が並んでいます。

場面しまくとぅば意味
食事のはじめくわっちーさびらいただきます
食事のおわりくわっちーさびたんごちそうさま
おいしいときまーさんおいしい

「くわっちーさびら」と「くわっちーさびたん」は、終わりが「さびら」から「さびたん」に変わります。「にふぇーでーびたん」のように、済んだ場面では「たん」の形になる、と覚えると使い分けやすいです。「まーさん」は内閣府の沖縄情報サイトOKINAWA41のうちなーぐち一覧にも載っています。もっと丁寧に伝えたいときは、普及センターの教材にある「いっぺー まーさいびーたん」(大変おいしかったです)という言い方もあります。

なんくるないさ

「なんとかなるさ」と訳されることが多い言葉です。観光案内では、前に「まくとぅそーけー」(正しい行いをしていれば)を置くと、「人として正しい行いをしていれば、うまくいく」という意味だと説明されます。ただし、この長い形を県の公式ページがしまくとぅばの定義として掲げているわけではありません。沖縄観光情報サイト「おきなわ物語」など、観光向けの解説で広まった言い方です。

相手の困りごとを軽く扱う言葉ではないので、自分の気持ちを整えるときに使うと、ニュアンスが伝わりやすいです。雨で予定が変わった日や、バスを一本逃したときに思い出す人もいます。

はいさい、はいたい

店先や路地で出会ったときの挨拶が「はいさい」です。しまくとぅば普及センターの教材では、男性は「はいさい」、女性は「はいたい」とし、昼に限らずいつでも使える挨拶のことばだと説明しています。男女を問わず「はいさい」を使う地域もあり、友人や年下に対しては「はい」と短く言うこともあります。共通語の「おはようございます」や「こんばんは」にあたる挨拶ことばは、しまくとぅばにはもともとない、とも教材は書いています。

初めて会う人には「はじみてぃやーさい」(はじめまして。女性は「はじみてぃやーたい」)、「ゆたさるぐとう うにげーさびら」(よろしくお願いします)という言い方もあります。県の教室が載せる「ちゅーうがなびら」は、もとは首里のことばで、目上の方に対する挨拶ことばだったと普及センターの教材は伝えています。

言葉を聞くときの心得

県のしまくとぅば教室は、首里の言葉を一例として「めんそーれ」(いらっしゃい)、「ちゅーうがなびら」(こんにちは)を載せています。文化庁は、ユネスコが沖縄語を消滅の危機にある言語として示したことを伝えています。ひとつの言い方がすべてではないことを知っておくと、出会いが豊かになります。看板や歌で出会った言葉をメモしておくと、旅のあとも響きが残ります。

その危機の度合いにも地域差があります。文化庁によると、ユネスコの2009年のアトラス(第3版)では、沖縄語と宮古語、国頭語が「危険」、八重山語と与那国語はそれより深刻な「重大な危機」に区分されています。県の資料によると、令和2年度の県民意識調査で「挨拶程度以上話す人」は43.2%でした。県の普及推進計画が令和4年の目標に掲げた88%とは開きがあります。9月18日の「しまくとぅばの日」は、「く(9)・とぅ(10)・ば(8)」の語呂合わせから来ています。

言葉を調べる手がかりもあります。国立国語研究所が1963年に刊行した『沖縄語辞典』は首里方言を対象にした辞典で、そのデータは研究所のサイトで公開されています。

参考資料・出典

沖縄県「沖縄のことば(しまくとぅば)」:しまくとぅばが文化の元であること。しまくとぅばの日。

沖縄県「しまくとぅば教室」:めんそーれ。首里の言葉を一例とすること。くわっちーさびら、くわっちーさびたん。

沖縄県「てぃんーだな しまくとぅば」:にふぇーでーびる。宮古・八重山の別形。

おきなわ物語「うちなんちゅ」:なんくるないさの前にまくとぅそーけーを置く、という観光案内。

文化庁「消滅の危機にある言語・方言」:ユネスコ2009年アトラス。沖縄語は危険。八重山語・与那国語は重大な危機。

内閣府OKINAWA41「うちなーぐち一覧」:まーさん(おいしい)。

沖縄県しまくとぅば普及センター「語ろう 使おう しまくとぅば」:はいさい・はいたい。はじみてぃやーさい。いっぺー まーさいびーたん。

沖縄県「資料1 委員意見の取りまとめ」:令和2年度県民意識調査で挨拶程度以上話す人は43.2%。普及推進計画の目標値。

豊見城市「豊見城市しまくとぅば読本」:9月18日は「く・とぅ・ば」の語呂合わせ。

国立国語研究所「沖縄語辞典」:1963年刊行、首里方言の辞典のデータ公開。

よくある質問

Q. 「にふぇーでーびる」とはどういう意味ですか?
沖縄方言(うちなーぐち)で「ありがとうございます」という、丁寧なお礼の言葉です。沖縄県の教材にも買い物の会話例が載っています。済んだことへのお礼は「にふぇーでーびたん(ありがとうございました)」で、地域によって「にふぇーれーびる」などの形もあります。
Q. 「なんくるないさ」の意味は?
一般には「なんとかなるさ」と訳されます。観光案内では、前に「まくとぅそーけー(正しい行いをしていれば)」を置いて、「正しい行いをしていれば、うまくいく」という意味で説明されます。相手の困りごとを軽く扱う言葉ではないので、自分の気持ちを整えるときに使うのが向いています。
Q. 沖縄で「いただきます」「ごちそうさま」は何と言いますか?
食事のはじめは「くわっちーさびら」、終わりは「くわっちーさびたん」です。「おいしい」は「まーさん」。済んだ場面では語尾が「たん」の形になると覚えると、使い分けやすいです。
Q. 「はいさい」と「はいたい」の違いは?
どちらも、昼に限らずいつでも使える挨拶です。沖縄県しまくとぅば普及センターの教材では、男性は「はいさい」、女性は「はいたい」と説明しています。男女を問わず「はいさい」を使う地域もあります。