今日は8月4日「箸(はし)の日」!沖縄で見かける赤と黄色のお箸の秘密とは?

ウメーシとは、沖縄で親しまれる赤と黄色の塗り分け竹箸で、しまくとぅばで箸を指す言葉です。 8月4日は「箸(はし)の日」。語呂合わせの「八四」から、東京・日枝神社では箸に感謝する祭が行われ、割り箸の業界団体が昭和50年にこの日を定めたと、複数の公的・教育機関が紹介しています。国際箸学会の設立は2006年で、日そのものの起源ではありません。沖縄の食堂で先に目に入る赤と黄色のお箸は、この全国の記念日とは別の、戦後まで続く身近な道具です。
この記事の要点
- 8月4日は「箸の日」。ただし沖縄の赤黄箸は、この記念日とは別の日常の道具
- 色の意味は資料に残っていない。実用面では赤=滑り止めの漆、黄=ウコンの染料と伝わる
- 2019年に県内メーカーが廃業し消えかけたが、那覇で製造が再開された
- 琉球漆器とは別物。伝統的工芸品の主な製品に箸は含まれない
赤と黄の「ウメーシ」
沖縄でよく見る紅白のような塗り分け箸は、地元では「ウメーシ」「うめーし」と呼ばれます。しまくとぅばで箸を指す言葉です。琉球新報は、赤と黄の竹箸としてこの名を紹介しています。
琉球新報の取材(2021年)によると、県内でこの箸を作っていたメーカーが2019年に廃業し、いったん店頭から消えかけました。その後、那覇で製造が再開されています。同記事は、大正から昭和初期に県内製造の記録がある一方、「誰が最初に作ったのか」「なぜ赤と黄なのか」は分からない、と書き残しています。色の意味を断定できる公式資料は、今回確認できませんでした。
琉球漆器と混同されやすいですが、国の伝統的工芸品「琉球漆器」の主な製品は盆、椀、重箱などです。伝統工芸青山スクエアの解説にも箸は挙がっていません。ウメーシは、漆器の工芸史とは別の、竹に色を付けた日常の道具です。
食堂と土産店で見るとき
観光で食堂に入ると、料理より先にこの箸が目に入ることがあります。地元の家庭や大衆食堂の卓上にあるので、観光客向けの装飾というより、普段使いの延長です。土産店には、紅型やシーサー、ハイビスカスを描いた箸も並びます。軽くて持ち帰りやすい実用的なお土産として選ばれる一方、赤黄のウメーシそのものを探す方が、食堂の記憶に近い一本になります。
製造元や店頭の在庫は変わることがあるので、購入前に販売元を確認してください。塗り箸は食洗機や長時間の浸け置きに向かないものが多いです。
日枝神社の箸感謝祭は、延命長寿と無病息災を祈る行事として年間行事に組まれています。沖縄の赤黄箸に直接つながる祭ではありませんが、毎日使う一本に目を向ける日、という意味では重なります。沖縄ではその日に限らず、赤と黄の一本が食堂の景色の一部になっています。お土産に紅型箸を選ぶなら、塗り箸は食洗機や長時間の浸け置きを避け、持ち帰ったら一度洗ってから使うと安心です。
赤と黄には、実用の重なりがある
色の象徴としての意味は資料に残っていませんが、塗り分けそのものには実用の説明が伝わっています。琉球新報の取材を伝える放送要約では、黄色は抗菌作用を持たせるためのウコンを使った染料、赤は滑り止めの漆、とされています。手元に漆、箸先にウコン、という割り当てで紹介されることもあります。
| 部分 | 色と素材 | 役割とされるもの |
|---|---|---|
| 手元 | 赤・漆 | 滑り止め |
| 箸先 | 黄・ウコン染料 | 抗菌作用を持たせる |
作る工程も手間がかかります。那覇市繁多川の就労支援センター「心輪」の製造現場を伝える取材によると、竹箸を検品し、黄色を塗る、赤を重ねる、保護のクリア塗料を色ごとに二度塗る、と塗料を7回重ね、その都度乾燥させるため完成まで1週間以上かかり、出荷は月に800〜1,000膳ほどです。口に入る道具として、塗料は食品衛生法に適合した自然由来のものを選び、製品を専門機関で検査しているといいます。卸のカネナガ商事は、関係資料と現物を那覇市歴史博物館に寄贈しました。食堂で何気なく手に取る一膳は、こうした手作業の先にあります。
参考資料・出典
日枝神社「年間行事」:8月4日の箸感謝祭。
同志社女子大学「八月四日は『箸の日』」:割り箸組合が昭和50年に制定したとする説明。
国際箸学会「学会概要」:2006年設立。
琉球新報「消滅の危機だった沖縄定番の箸・ウメーシが復活!」:赤黄の竹箸、2019年の廃業と再開、由来不明の記載。
伝統工芸 青山スクエア「琉球漆器」:指定工芸品の主な製品に箸は含まれない。
沖縄県「沖縄の伝統工芸」:琉球漆器は14世紀、主な工芸の説明。 RBCiラジオ「方言ニュース」ウメーシの危機(radiko、琉球新報の記事紹介):正式な商品名は竹塗箸。ウコンを使った染料と、滑り止めの漆。
DEEokinawa「消滅の危機から見事復活!ウメーシの製造現場を見学してきた」:心輪での製造工程、7回の重ね塗りと完成まで1週間以上、月800〜1,000膳、那覇市歴史博物館への資料寄贈。
よくある質問
- Q. ウメーシとは何ですか?
- 沖縄でよく見る紅白のような塗り分け箸のことで、地元では「ウメーシ」「うめーし」と呼ばれます。しまくとぅばで箸を指す言葉で、琉球新報は赤と黄の竹箸としてこの名を紹介しています。地元の家庭や大衆食堂の卓上にある、普段使いの道具です。
- Q. 赤と黄の色には意味がありますか?
- 色の象徴としての意味は、資料に残っていません。大正から昭和初期に県内製造の記録がある一方、「誰が最初に作ったのか」「なぜ赤と黄なのか」は分からない、と琉球新報は書いています。実用の説明としては、黄色は抗菌作用を持たせるためのウコンを使った染料、赤は滑り止めの漆、と伝える紹介があります。
- Q. ウメーシは一時消えかけたのですか?
- はい。琉球新報の取材(2021年)によると、県内でこの箸を作っていたメーカーが2019年に廃業し、いったん店頭から消えかけました。その後、那覇で製造が再開されています。那覇市繁多川の就労支援センター「心輪」の製造現場では、塗料を7回重ね、その都度乾燥させるため完成まで1週間以上かかり、出荷は月に800〜1,000膳ほどと伝えられています。
- Q. ウメーシは琉球漆器ですか?
- 別物です。国の伝統的工芸品「琉球漆器」の主な製品は盆、椀、重箱などで、伝統工芸青山スクエアの解説にも箸は挙がっていません。ウメーシは、漆器の工芸史とは別の、竹に色を付けた日常の道具です。


