自然・環境

沖縄の海が青い理由とは?「沖縄ブルー」と呼ばれる絶景の秘密

編集:365おきなわ編集部
沖縄の海が青い理由とは?「沖縄ブルー」と呼ばれる絶景の秘密
イメージ画像(生成画像)

沖縄の海が青い理由は、栄養の少ない黒潮で海水が澄んでいることと、白い砂の海底が光を反射することです。 沖縄といえば、多くの人が思い浮かべるのが、どこまでも広がる透き通った青い海です。その美しさは「沖縄ブルー」とも呼ばれ、日本国内はもちろん、世界中の旅行者を魅了しています。なぜ沖縄の海は、これほど鮮やかな青色に見えるのでしょうか。その秘密は海水だけでなく、黒潮、サンゴ礁、白い砂、太陽の光といった沖縄ならではの自然環境にあります。

この記事の要点

  • 水は赤い光を吸収し青い光を散乱させるため、もともと青く見える性質がある
  • 黒潮は栄養塩が少なくプランクトンが少ないため、透明度が高い(20〜45メートル)
  • 浅いリーフでは白い砂が日光を反射し、エメラルドグリーンに見える
  • 白い砂はサンゴや貝、有孔虫などの骨格や殻が砕けてできたもの

「沖縄ブルー」が生まれる3つの理由

太陽の光にはさまざまな色が含まれています。海に入った光のうち、赤やオレンジなどの波長は水に吸収されやすく、青い光はより深くまで届きます。水中で残った青い光が目に届くことで、海は青く見えます。

沖縄の海は、栄養分が比較的少なくプランクトンの発生が少ない黒潮の影響を受け、透明度が高いことも特徴です。濁りの少ない海水では光が通りやすく、青さがより鮮明に感じられます。

海底に広がる白い砂も大切な要素です。沖縄の砂浜には、サンゴや貝、有孔虫などの炭酸カルシウムからできた生物由来の砂が多く見られます。強い日差しが白い海底で反射し、浅瀬を明るいエメラルドグリーンやターコイズブルーに輝かせます。

水そのものが持つ「青」のしくみ

そもそも水は、無色透明に見えて、じつはほんのり青い物質です。千葉県の水道Q&Aでも、赤い光が水に吸収され、青い光が散乱されるため水が青く見え、海の青さも同じ理由だと説明されています。京都大学の解説によれば、水分子の振動の倍音(高調波)が赤外線に近い赤い光と弱く共鳴し、赤の成分が少しずつ熱として吸収されるのが、その背景にあります。

コップ一杯の水では吸収がわずかで色は分かりませんが、海では光が進む距離が長くなります。深くなるほど赤やオレンジが先に消え、残った青い光が散らされて目に戻るため、海全体が青く見えるのです。

黒潮は「栄養の少ない、澄んだ大河」

沖縄の沖合を流れる黒潮は、北太平洋を時計回りにめぐる亜熱帯循環の西の縁を北上する暖流です。百科事典の整理では、黒潮の栄養塩濃度は親潮系の水に比べて1桁ほど少なく、そのためプランクトンも少なく、濁りが少ないとされます。透明度は20〜45メートル、水の色を示す水色も「青く澄んでいる」範囲と記録されています。

「黒潮」という名前自体、沿岸の白っぽい水に対して沖合の流れが藍黒色に見えたことに由来します。栄養が少ないことは生き物にとって厳しい面もありますが、光をさえぎる浮遊物が少ない分、青さを際立たせる条件になっています。

浅いリーフだから、エメラルドグリーンになる

沖縄の沿岸には水深10〜30メートルほどの遠浅のサンゴ礁が続くため、沖合の深い青とは違う色が生まれます。京都大学の解説では、浅い海では太陽光の赤い成分が吸収されきる前に海底のサンゴ礁で反射するので、エメラルドグリーンやエメラルドブルーが広がると説明されています。

反射する海底の白さにも理由があります。国土交通省の多言語解説文データベース(環境省の自然環境事務所による解説)によれば、白い砂は、サンゴや魚類、海藻(石灰藻)類、貝類、ウニ類など、さまざまな生きものの骨格や殻が、長い年月をかけて波のはたらきで砕かれてできたものです。浜に近い浅瀬ではターコイズ、リーフの中ではエメラルドグリーン、そしてリーフの切れ目の外側では黒潮の深い青へ――。一枚の海に色のグラデーションが見えるのは、水深と海底の色が場所ごとに違うからなのです。

島ごとに異なる青を楽しめる絶景スポット

沖縄本島の古宇利ビーチでは、古宇利大橋と透明な浅瀬がつくる爽やかな景色を楽しめます。読谷村のニライビーチは自然の地形を生かした砂浜で、夕景を眺める場所としても魅力的です。

宮古島の与那覇前浜ビーチは、きめ細かな白砂と遠浅の海が続く代表的な絶景スポット。石垣島の川平湾では、島々と海が織りなすエメラルドグリーンの景観を展望できます。なお、川平湾は潮流が速いため遊泳禁止です。グラスボートや展望台から景色を楽しみましょう。

海の色は、水深や砂の色、天候、太陽の高さによって変わります。同じ場所でも、晴れた日の昼は鮮やかに、朝夕はやわらかな色合いに見えるため、時間を変えて眺めるのもおすすめです。

沖縄の海は、暮らしと文化を支える存在

沖縄の海は、美しい観光スポットというだけではありません。昔から漁業を支え、人々の暮らしに欠かせない存在として親しまれてきました。海の恵みに感謝する祭りや伝統行事も各地で受け継がれ、沖縄の文化や歴史と深く結び付いています。

海の中には、色鮮やかなサンゴ礁や熱帯魚、ウミガメなど、多くの生き物が暮らしています。シュノーケリングやダイビングでは、サンゴを踏まない、魚や生き物に触れない、日焼け止めやごみで海を汚さないなど、美しい環境を守る行動を心がけましょう。

朝日が昇る静かな海、真昼の鮮やかな沖縄ブルー、夕日に染まる穏やかな海。時間によって表情を変える沖縄の海には、何度訪れても新しい感動があります。黒潮、サンゴ礁、白い砂、太陽の光が重なると、時間帯によって静かな朝の色から真昼の鮮やかさ、夕日の穏やかさまで、同じ海でも青の見え方が変わります。

参考資料・出典

沖縄県「沖縄の海」:黒潮、プランクトンが少ない透明度、サンゴ礁と熱帯魚。

JAMSTEC 国際海洋環境情報センター「沖縄の海の生態系」:サンゴ・貝・有孔虫の炭酸カルシウムが白い砂になること。

JAXA「生物多様性の保全〜沖縄県名護市大浦湾のサンゴ礁〜」:海水が長い波長を吸収し、浅瀬は白砂でエメラルドグリーンに見えること。

おきなわ物語「古宇利大橋」:古宇利ビーチ周辺の浅瀬と橋の景観。

おきなわ物語「川平湾」:潮流が速く遊泳禁止、グラスボートで海中を見る案内。

千葉県「青い水が出てくる」:赤い光が吸収され青い光が散乱されるため、水が青く見えること(海が青く見えるのも同じ理由)。

京都大学工学広報「桂キャンパスの青と紡ぐ京都大学の濃青」:水分子の振動の倍音で赤い光が吸収される仕組み、沖縄は水深10〜30メートルほどの遠浅なサンゴ礁のためエメラルドグリーン・エメラルドブルーの海が広がること。

コトバンク「黒潮」:世界大百科事典・日本大百科全書による黒潮の解説。亜熱帯循環の西岸強化流であること、栄養塩濃度は親潮系水より1桁少なくプランクトンも少ないため透明度は20〜45メートルと高く青く澄んでいること、名前が藍黒色の海色に由来すること。

国土交通省 観光資源多言語解説文データベース「白い砂を生み出し地形をつくる」:サンゴ、魚類、海藻(石灰藻)類、貝類、ウニ類などの骨格や殻が、波のはたらきで砕かれて白い砂になること(環境省沖縄奄美自然環境事務所の解説)。

よくある質問

Q. 沖縄の海はなぜ青いのですか?
理由は主に3つです。まず水そのものが、赤い光を吸収し青い光を散乱させる性質を持つため青く見えます。次に、沖合を流れる黒潮は栄養が少なくプランクトンが少ないため透明度が高く、青さが鮮明になります。さらに浅瀬では、サンゴなどからできた白い砂の海底が日光を反射し、エメラルドグリーンやターコイズブルーに輝きます。
Q. 黒潮は海の色にどう関係しますか?
黒潮の栄養塩濃度は親潮系の水より1桁ほど少なく、プランクトンも少ないため濁りが少ないのが特徴です。透明度は20〜45メートルと記録されており、光をさえぎる浮遊物が少ない分、青さが際立つ条件になっています。
Q. 沖縄の白い砂は何でできていますか?
サンゴや貝、有孔虫、ウニなどの生きものの骨格や殻が、長い年月をかけて波のはたらきで砕かれてできた、炭酸カルシウムの砂です。この海底の白さが、浅瀬の明るいエメラルドグリーンを生みます。
Q. 海の色が場所や時間で違うのはなぜですか?
水深と海底の色、天候、太陽の高さで変わるからです。浅いリーフではエメラルドグリーン、リーフの外側では黒潮の深い青というように、一枚の海にグラデーションが見えます。同じ場所でも、晴れた日の昼は鮮やかに、朝夕はやわらかな色合いになります。