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沖縄のソウルフード「スパム」って知ってる?缶詰ランチョンミートが島で愛され続ける理由

編集:365おきなわ編集部
沖縄のソウルフード「スパム」って知ってる?缶詰ランチョンミートが島で愛され続ける理由
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スパム(SPAM®)とは、アメリカのホーメル社が1937年に発売したポーク缶詰(ランチョンミート)です。 沖縄のソウルフードと聞くと、ゴーヤーチャンプルーや沖縄そばを思い浮かべる方は多いはず。でも忘れてはならないのが、この「スパム」です。

この記事の要点

  • 沖縄では銘柄を問わず「ポーク」と呼ぶのが一般的
  • 戦後のアメリカ統治下で、保存のきく缶詰が家庭の食卓を支えた
  • 定番料理はポークたまごおにぎりとゴーヤーチャンプルー
  • 棚には複数のブランドが並ぶ。SPAM®、チューリップ、国産の沖縄ハムなどアメリカ生まれの缶詰ランチョンミートは、沖縄の家庭の食卓からコンビニの定番おにぎりまで、島のあらゆる場面に登場します。スパムが沖縄で愛され続けている理由をたどります。

なぜ沖縄で愛され続ける?スパムと島の歴史

「スパム(SPAM®)」は、アメリカのホーメル社が1937年に発売した登録商標のポーク缶詰です。沖縄ホーメルは、豚もも肉をベースにしたランチョンミートの元祖として紹介しています。沖縄では単に「ポーク」と呼ぶのが一般的で、スーパーには複数のブランドの缶が並びます。

沖縄に「ポーク文化」が根づいた背景には、戦後のアメリカ統治があります。物資が限られる中で、手に入りやすく長期保存もできる缶詰は、家庭の食卓を支える食材になりました。沖縄ホーメルは1959年に創業し、当初は加工食品の輸入・販売を行い、1966年に自社工場の操業を開始。減塩タイプなど、いまも複数のスパムを扱っています。

沖縄県の統計解説では、那覇市の家計調査で「他の加工肉」(コンビーフやポーク缶など)の支出額が、2013〜2015年平均で全国平均を大きく上回ったと紹介されています。かつての保存食が、いまも島の食卓に残っていることが分かります。

沖縄の食卓、どこもスパム!?食べておきたい定番メニュー

スパムはアレンジ自在な万能食材。今日も多くの沖縄の食卓に登場します。まず押さえておきたいのがこの2大定番です。

  • ポークたまごおにぎり…スパムをさっと焼き、卵焼きと一緒にご飯で包んだシンプルなおにぎり。沖縄のコンビニや食堂の定番で、専門店でテイクアウトも楽しめます。
  • ゴーヤーチャンプルー…島の人気チャンプルーの具材として、スパムは豆腐・ゴーヤーと並ぶ欠かせない存在。塩気と旨みが野菜とよく絡みます。

そのほかにも、沖縄そばの薬味や具材に、スパム入りソーメンチャンプルー、そのまま焼いたシンプルなソテー、目玉焼きとの「スパムエッグ」など、使い方は無限大。沖縄のスーパーやコンビニをのぞけば、スパムおにぎりはほんとにどこにでもあり、旅行中に一度は出会うはずです。

沖縄のスーパーでは、複数ブランドのポーク缶が並び、観光客にはちょっと面白い光景です。沖縄ホーメルは減塩スパムやうす塩スパムも扱っており、定番以外の缶を見比べると、ポーク缶の選択肢の広さが分かります。

缶ごと豪快に煮込んだ一品から、サラダのトッピングまで、スパムのレシピは沖縄の家庭の数だけ広がり続けています。青と黄色のロゴの缶は、戦後の保存食から、ポークたまごおにぎりやチャンプルーの定番食材へ移ってきた履歴を残しています。

アメリカで生まれ、戦場を経て世界へ広がった

ホーメル・フーズの公式特集によると、SPAM®が発売されたのは1937年、本社のあるミネソタ州オースティンでのことです。豚肉にハムを合わせ、塩や水などで味を調えた缶詰は、冷蔵設備がなくても運べる手軽なタンパク源として生まれました。

広がりの転機は第二次世界大戦でした。新鮮な肉を前線へ届けるのが難しいなか、1億ポンドを超えるSPAM®が連合軍の食料として海外へ送られたと公式特集は伝えています。戦後も人気は続き、1980年までに30億缶が売れ、ミネソタ州にはSPAM®ミュージアム、ハワイには「SPAM JAM®」という祭りまであります。沖縄でポークが米軍統治と結びついて語られるのは、この「戦場の保存食」が各地の駐留地へ広がった流れと重なるからなのです。

「スパム」は銘柄、「ポーク」は沖縄の総称

言葉を整理すると、スーパーの棚が読みやすくなります。SPAM®はホーメル社の登録商標で、特定のブランド名です。一方、沖縄で使われる「ポーク」は、ポークランチョンミート全体を指す総称。地元の人はブランドを問わず「ポークを焼いて」と言います。

棚に並ぶ代表格の一つが、デンマークのチューリップです。沖縄のショップの案内では、チューリップはデンマークで製造され、沖縄の富村商事を通じて販売されていると説明されています。原材料も、SPAM®が豚肉をベースに食塩・砂糖で味付けするのに対し、チューリップにはでん粉やマスタード、香辛料抽出物が入り、風味が少し異なります。沖縄ホーメルのレギュラースパムは原産国アメリカの340g缶で、賞味期限は製造日から3年。沖縄ハムのように県産豚肉100%の国産ポークもあり、塩気や肉の粒感は銘柄ごとに違います。食べ比べると個性が分かるのが、沖縄の棚の面白さです。

ポークたまごは専門店になり、本土にも広がった

専門店「ポーたま」の公式サイトは、ポークランチョンミートとたまごを挟んだこのおにぎりを「どのコンビニにも、お弁当屋さんにも並ぶソウルフード」と紹介し、同店を沖縄初の、注文を受けてから作る専門店と位置づけています。専門店のポークには県産豚肉100%のオリジナル品が使われるなど、定番にも磨きがかかっています。

広がりは本土にも及びました。ファミリーマートは2021年8月、沖縄県を除く全国で「SPAM®むすび」を発売し、約4か月で累計1,000万個を突破したと発表しています。沖縄では従来どおり「ポーク玉子おむすび」が販売されており、同じ組み合わせが土地ごとに名前を変えて受け入れられていることが分かります。

参考資料・出典

沖縄ホーメル「会社概要」:1959年創業、1966年の自社工場操業、戦後に缶詰が食卓へ根づいた経緯。

沖縄ホーメル「レギュラースパム」:1937年発売のランチョンミートと、チャンプルーへの使い方。

農林水産省「ゴーヤーチャンプルー」:豚肉の代わりにスパムなどの缶詰肉を使うことがあること。

おきなわ物語「ポークたまごおにぎり」:卵焼きとポークをご飯と海苔で巻くこと、コンビニでも売られること。

沖縄県「家計調査からみた那覇市の食卓」(topics452):那覇市の「他の加工肉」(コンビーフ・ポーク缶)支出が全国1位だった時期。

ホーメル・フーズ「85 Years of Sizzle」:1937年の発売、第二次世界大戦中に1億ポンド超が連合軍向けに送られたこと、1980年までの30億缶販売。

ポーたま公式サイト:ポークたまごおにぎりが沖縄のソウルフードであること、注文を受けてから作る専門店であること、県産豚肉100%のオリジナルポーク。

ファミリーマート ニュースリリース(2021年11月29日):全国で発売した「SPAM®むすび」が約4か月で累計1,000万個を突破したこと、沖縄では「ポーク玉子おむすび」を販売中であること。

沖縄ショップ ぷからす家「チューリップ ランチョンミート」:チューリップがデンマークで製造され、沖縄の富村商事を通じて販売されていること、その原材料。

よくある質問

Q. スパムとは何ですか?
アメリカのホーメル社が1937年に発売した、登録商標のポーク缶詰です。豚もも肉をベースにしたランチョンミートの元祖として紹介されています(沖縄ホーメル)。第二次世界大戦では、連合軍の食料として1億ポンドを超えるSPAM®が海外へ送られたと、ホーメル・フーズの公式特集は伝えています。
Q. 沖縄で「ポーク」とは何を指しますか?
ポークランチョンミート全体を指す総称です。SPAM®はホーメル社の特定のブランド名ですが、沖縄ではブランドを問わず「ポークを焼いて」と言います。スーパーにはSPAM®のほか、デンマークで製造されるチューリップや、県産豚肉100%の沖縄ハムなど、複数のブランドの缶が並びます。
Q. なぜ沖縄でスパムが定着したのですか?
戦後のアメリカ統治が背景にあります。物資が限られる中で、手に入りやすく長期保存もできる缶詰は、家庭の食卓を支える食材になりました。沖縄県の統計解説では、那覇市の家計調査で「他の加工肉」(コンビーフやポーク缶など)の支出額が全国平均を大きく上回った時期も紹介されています。
Q. スパムの定番の食べ方は?
ポークたまごおにぎりとゴーヤーチャンプルーが2大定番です。ポークたまごは、さっと焼いたスパムと卵焼きをご飯で包んだおにぎりで、コンビニや食堂のほか、専門店「ポーたま」でも楽しめます。チャンプルーでは、豆腐・ゴーヤーと並ぶ具材として、塩気と旨みが野菜によく絡みます。