今日は8月17日「パイナップルの日」!沖縄で味わう旬の甘さ

パインの記念日は2つあり、8月1日は沖縄県側が掲げる「パインの日」、8月17日はドールが制定した語呂合わせの「パイナップルの日」です。 17日は「パ(8)イ(1)ナ(7)ップル」の語呂合わせで、日本記念日協会の登録です。8月1日の主催は沖縄県パイン・果樹生産振興対策推進協議会で、内閣府沖縄総合事務局の記念日一覧にも8月1日だけが載っています。17日は語呂の記念日、県産の旬を見るなら8月前後の実物です。
この記事の要点
- 県産シェアは99%。主な産地は東村・名護市・石垣市・竹富町
- スナックパイン=品種ボゴール、ピーチパイン=県登録のソフトタッチ
- パイナップルは収穫後に甘くならない(追熟しない)。買ったら早めに食べる
- 八重山は本島北部よりおよそ1か月早く出回る
スナックパインはボゴール、ピーチパインはソフトタッチ
沖縄は国内生産のほぼ全量を担う産地です。県の学校給食資料(2023年2月)は県産シェア99%、令和3年度の収穫6,990トンとし、JAおきなわは主な産地を東村、名護市、石垣市、竹富町、時期を5〜7月としています。導入の由来は、1888年に国頭郡長が小笠原から持ち帰ったとする説と、1866年のオランダ船と石垣の説を、県自身が併記しています。
店頭の愛称と、登録上の名前は違います。手で節をちぎって食べる「スナックパイン」「ポコットパイン」は、導入品種ボゴールです。桃に似た香りの「ピーチパイン」は、1999年に県が登録したソフトタッチ(登録番号7384)。甘みが強く酸味の穏やかなゴールドバレルは、2009年登録の県育成品種(17245)です。JAはハワイ・N種をジュワリーパインとも呼んでいます。農研機構と県農業研究センターの共同発表では、2022年の国内生産は約7,000トン、輸入生果は約18万トンです。
同じ夏でも、八重山は本島北部よりおよそ1か月早く出回ります。研究センターの調査では、自然夏果のボゴールは7月下旬ごろ、果重769g、糖度18.1度という数字が残っています。品種名を見て選ぶと、香りの違いがわかりやすいです。
缶詰の時代から、生で食べる時代へ
いま店頭で主役の生食用も、歩んできた道は長くはありません。日本でパインアップルの商業栽培が始まったのは1930年頃で、台湾から沖縄へ移住した人々が担い、中心は缶詰加工用でした。戦後も長く加工用が主軸でしたが、1990年にパイン缶詰の輸入が自由化されたのを機に、生食用が注目されるようになります。いまは県を挙げて生食用の生産振興に取り組み、生産量は拡大傾向にあると、研究機関の発表は整理しています。
その転換期を支えたのが、加工と生食の兼用品種N67-10です。1958〜59年に琉球政府経済局がハワイから導入した種苗の中から選抜され、1985年に品種登録されました。自然夏実で平均1.3kg前後の大果になり、北部では8月中旬が収穫期。缶詰全盛の名残と、生食需要の橋渡しをした品種といえます。JAが「ハワイ・N種」と呼ぶ背景には、この導入の歴史があります。
収穫後に甘くなる果物ではない
パイナップルは、木から外したあとに糖度が上がる追熟はしません。農研機構と県の研究は、糖は果実が肥大するあいだ蓄積し、収穫期まで糖度上昇が続く、と書いています。収穫の糖度は、収穫前70〜120日の気温から予測できる、という内容です。ハワイ大学の栽培資料も “Fruit do not continue to ripen or sweeten after harvest.” と明記しています。県やJAの日本語ページに同じ一文があるわけではありませんが、科学側の説明は一致しています。皮の色や香りは変わっても、置いておけば甘くなるわけではありません。
産地に近い沖縄では、食べ頃に近い状態で刈られた実に出会いやすいです。買ったら長く置かず、販売店の案内に従って早めに切ってください。ジュース、パフェ、ジャムにも使われますが、まずは冷やした果肉を切り分けるのが、品種の差がいちばん出る食べ方です。
新品種は、いまも生まれ続けている
県の育種は現在も進行形です。沖縄県はこれまでに生食用の育成品種を7つ生み出し、ゴールドバレルや、2017年登録の沖農P17(商標名サンドルチェ)を主軸にブランド化を進めてきました。その交配の母材として頻繁に使われてきたのがゆがふです。葉にとげがなく果肉が白いのが特徴で、かずさDNA研究所や農研機構などの共同研究では、ゆがふのゲノム(約9億塩基対)が解読され、葉のとげの有無と果肉の色を決める遺伝子まで特定されました。品種を見分けるDNAマーカーも開発され、次の育種の土台になっています。
ゆがふの子ども世代も実を結んでいます。ゆがふにソフトタッチを交配した沖農P19は2021年12月に品種登録された大玉の生食用で、自然夏実の平均果実重は1.3kgを超え、糖度は16.1〜17.0度、甘いココナッツに似た香りが特色です。一方、加工の現場向けには、果汁の黄色が濃くジュースの色・香り・食味の評価が高い沖農P22が育成され、7月上旬に穫れる極早生として、加工品づくりの時期を早める役が期待されています。生で食べる甘さだけでなく、ジュースの色まで品種で作り分ける時代になっているのです。
8月17日は語呂の記念日、8月1日は県のパインの日。どちらも、東村や石垣の実を思い出す日にしてよいです。
参考資料・出典
内閣府沖縄総合事務局「今日は○○の日」:8月1日パインの日。
JAおきなわ「パインアップル」:ボゴール、産地、5〜7月。
沖縄県 学校給食「県産食材」2023年2月:シェア99%、導入の二説。
農研機構「パインアップルの糖度を収穫前に予測」:ソフトタッチ=ピーチパイン、収穫まで糖が蓄積。
農林水産省 品種登録 ソフトタッチ:1999年登録。
University of Hawai‘i CTAHR “The Pineapple”:収穫後に甘くならない。
農研機構ほか「沖縄産パインアップルのゲノム解読」:1930年頃に台湾からの移住者で商業栽培が始まり缶詰中心だったこと、1990年の缶詰輸入自由化を機に生食用が注目されたこと、県育成7品種とゆがふの特徴・ゲノム解読。
沖縄県農業研究センター「パインアップルの品種開発と品種特性」:N67-10は1958〜59年にハワイから導入した種苗から選抜し1985年品種登録、収穫時期と果実重。
農研機構「大玉で食味が良い生食用パインアップル新品種『沖農P19』」:ゆがふ×ソフトタッチ、2021年12月品種登録、果実重1.3kg超・糖度16.1〜17.0度・ココナッツ様の芳香。
農研機構「果汁が濃い黄色でジュース品質の高い加工用パインアップル新品種『沖農P22』」:極早生で7月上旬収穫、ジュースの色・香り・食味の官能評価がN67-10より良好。
よくある質問
- Q. パインの日とパイナップルの日は違うのですか?
- 違います。8月1日の「パインの日」は、沖縄県パイン・果樹生産振興対策推進協議会が主催し、内閣府沖縄総合事務局の記念日一覧にも載る県側の記念日です。8月17日の「パイナップルの日」は、「パ(8)イ(1)ナ(7)ップル」の語呂合わせで株式会社ドールが制定し、日本記念日協会に登録されています。
- Q. スナックパインとピーチパインは品種名ですか?
- 店頭の愛称で、登録上の名前は別です。手で節をちぎって食べる「スナックパイン」「ポコットパイン」は導入品種ボゴール、桃に似た香りの「ピーチパイン」は1999年に県が登録したソフトタッチ(登録番号7384)です。甘みが強く酸味の穏やかなゴールドバレルは、2009年登録の県育成品種です。
- Q. 沖縄県産パイナップルの旬と産地は?
- JAおきなわは、主な産地を東村、名護市、石垣市、竹富町、時期を5〜7月としています。同じ夏でも、八重山は本島北部よりおよそ1か月早く出回ります。県の学校給食資料(2023年2月)は、県産シェア99%、令和3年度の収穫6,990トンとしています。
- Q. パイナップルは置いておくと甘くなりますか?
- なりません。パイナップルは、木から外したあとに糖度が上がる追熟をしません。農研機構と県の研究は、糖は果実が肥大するあいだ蓄積し、収穫期まで糖度上昇が続く、と書いています。皮の色や香りは変わっても、置いておけば甘くなるわけではないので、買ったら長く置かず、早めに切ってください。


