自然・環境

沖縄の山の魅力を知ろう!海だけじゃない、もう一つの絶景

編集:365おきなわ編集部
沖縄の山の魅力を知ろう!海だけじゃない、もう一つの絶景
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沖縄の山の魅力は、世界自然遺産・やんばるの森をはじめとする亜熱帯の森林と、島ごとの名山にあります。 沖縄といえば、エメラルドグリーンの海や白い砂浜を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、実は沖縄には豊かな森や山々が広がり、海とはまったく違った山や森の景色を楽しめることをご存じでしょうか。毎年8月11日の「山の日」は、山に親しみ、山の恩恵に感謝する国民の祝日です。この機会に、やんばるの森や島の山並みにも目を向けてみましょう。

この記事の要点

  • やんばるは2021年に世界自然遺産登録。やんばる国立公園は2016年指定
  • 沖縄本島最高峰は与那覇岳(503m)。県全体の最高峰は石垣島の於茂登岳(525.8m)
  • 与那覇岳の山頂付近は特別保護地区で立ち入り制限。ガイド同伴が推奨される
  • 嘉津宇岳は岩場の多い登山道。やんばるの道路ではヤンバルクイナの事故防止に減速を

世界自然遺産・やんばるの森

沖縄本島北部には「やんばる」と呼ばれる広大な森が広がっています。沖縄島北部は、奄美大島・徳之島・西表島とともに、2021年に世界自然遺産へ登録されました。日本でも特に貴重な亜熱帯の自然が残る地域として知られています。

やんばるには、飛ぶことがほとんどできないヤンバルクイナや、沖縄島北部だけに生息するノグチゲラなど、多くの固有種が暮らしています。豊かな森と清らかな川が育む自然は、沖縄の大切な宝物です。

「やんばる(山原)」という言葉自体、「山々が連なり森の広がる地域」を意味します。環境省によると、沖縄島北部は2016年9月15日に国内33番目の国立公園「やんばる国立公園」に指定されました(陸域17,331ヘクタール)。森の中心をなすのは、スダジイやオキナワウラジロガシといったブナ科の木々による亜熱帯照葉樹林です。大きく育った木の幹にできる空洞(樹洞)は、ノグチゲラの営巣や、ケナガネズミ、ヤンバルテナガコガネの暮らしを支えています。

国頭村・大宜味村・東村の3村は、日本全体の面積の0.1パーセントにも満たない範囲です。それにもかかわらず、この地域では日本で確認されている鳥類のおよそ半分、在来カエルのおよそ4分の1の種類が確認されていると環境省は紹介しています。ヤンバルクイナが新種として発見されたのは1981年のことで、世界でも沖縄島北部だけに生息する鳥として、その後の保護活動の象徴になりました。

与那覇岳と嘉津宇岳で感じる、沖縄の大自然

沖縄本島最高峰の与那覇岳(よなはだけ)は標高503メートル。やんばるの深い森に囲まれ、亜熱帯ならではの植物や野鳥を観察できる登山道があります。ただし、山頂付近は特別保護地区のため立ち入りが制限されています。国頭村は、自然を守り安全に歩くため、ガイドと一緒に登山道を利用することを推奨しています。

名護市勝山にあり、本部町との境界付近に位置する嘉津宇岳(かつうだけ)は、名護市観光協会が登山やハイキングの場として案内する山です。石灰岩の岩場が続く変化に富んだ山で、山頂からは市街地や海を見渡せます。登山道は岩場が多く、標高だけで難易度を判断せず、滑りにくい靴や十分な水分を準備して歩きましょう。

登山口のある勝山には無料の駐車場があり、名護市観光協会は、登山は明るい時間帯に行うよう案内しています。標高の数字だけを見ると手軽に思える沖縄の山でも、日差しの強さや岩場の滑りやすさは本土の低山と同じではありません。余裕のある行程で歩くことが、景色を楽しむ余裕にもつながります。

なお、恩納岳は米軍施設の区域内にあり、一般向けの登山スポットではありません。許可なく立ち入らず、観光や登山には正式に案内されているコースを選んでください。

県の最高峰は、石垣島の於茂登岳

与那覇岳は沖縄本島の最高峰ですが、沖縄県全体の最高峰は本島ではなく、石垣島の於茂登岳(おもとだけ)です。文化庁の文化遺産オンラインは、於茂登岳の標高を525.8メートルとし、八重山諸島だけでなく沖縄県内でも最高峰であると案内しています。於茂登岳は、眼下の川平湾とともに1997年に国の名勝へ指定されました。

於茂登岳は古くから八重山の人々の信仰の対象でした。古代の祭祀歌謡を集めた『おもろさうし』や古記録には「宇本」「大本」「おもと山」と記され、山そのものが神格化されて、各地から拝む対象だったと伝えられます。麓の川平では、雨乞いや、稲穂を水田に迎える初穂の儀礼が今も於茂登岳に向けて行われています。本島のやんばるだけでなく、島ごとに人々の暮らしと深く結びついた名山があることも、沖縄の山の奥深さです。

山から見える景色が、沖縄の新しい魅力を教えてくれる

沖縄の山は、昔から地域の人々の暮らしとも深く関わってきました。水を育み、豊かな森を守り、多くの生き物の住みかとなっています。標高こそ本土の高い山ほどではありませんが、亜熱帯の自然や独特の生態系、そして海を見下ろす景色を楽しめるのが、山側の見どころです。

トレッキングや自然観察、バードウォッチングを楽しむときは、最新の入山情報や天候を確認し、動植物を持ち帰らず、決められた道から外れないことが大切です。初めての場所では、地域を知るガイドと歩くと、自然への理解も深まります。

やんばるを車で走るときにも約束があります。飛べないヤンバルクイナは、繁殖期の4月から6月にかけて歩いて道路を横断することがあり、交通事故が後を絶ちません。環境省のやんばる野生生物保護センターなどは、県道2号や70号などを走る際、速度を落としてゆっくり走ることが事故防止に最も効果的だと呼びかけています。また、野生化したネコが希少な生き物を襲う原因になるため、ペットを捨てないことも、この森を守る約束のひとつです。

やんばるの森や与那覇岳、嘉津宇岳では、海とは違う緑と、高い場所から島を見下ろす景色が広がります。入山前は最新の天候と規制を確認し、決められた道から外れないことが前提です。

参考資料・出典

内閣府「国民の祝日について」:山の日は8月11日。

世界自然遺産「奄美・沖縄」:2021年登録、奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島。

国土交通省 多言語解説「やんばるの森 与那覇岳の特徴」:標高503メートル、山頂は特別保護地区で立ち入り禁止。

世界自然遺産「沖縄島北部の認定ガイド」:与那覇岳9合目以上は特別保護地区、ガイド同伴でも入山不可。

名護市観光協会「嘉津宇岳」:名護市勝山、岩場の登山道、山頂からの眺望。無料駐車場があり、登山は明るい時間帯が推奨されている。

環境省「やんばる国立公園 公園の特長」:2016年9月15日に国内33番目の国立公園へ指定、陸域17,331ヘクタール。3村に日本の鳥類の約半分が確認され、スダジイなどの照葉樹林と樹洞が固有種を支える。

文化庁「文化遺産オンライン 川平湾及び於茂登岳」:於茂登岳は標高525.8メートルで沖縄県最高峰。川平湾とともに1997年に国の名勝へ指定され、古くから信仰の対象だった。

環境省 やんばる野生生物保護センター等「ヤンバルクイナ交通事故防止」ポスター:ヤンバルクイナは1981年発見。繁殖期の4〜6月は道路横断による事故防止のため、速度を落として走るよう呼びかけている。

よくある質問

Q. 沖縄県で一番高い山はどこですか?
石垣島の於茂登岳(標高525.8メートル)です。文化庁の文化遺産オンラインは、八重山諸島だけでなく沖縄県内でも最高峰であると案内しています。沖縄本島の最高峰は与那覇岳(標高503メートル)で、於茂登岳は眼下の川平湾とともに1997年に国の名勝へ指定されました。
Q. やんばるとは何ですか?
沖縄本島北部の、山々が連なり森の広がる地域のことです。沖縄島北部は奄美大島・徳之島・西表島とともに2021年に世界自然遺産へ登録され、2016年9月15日には国内33番目の国立公園「やんばる国立公園」に指定されました。ヤンバルクイナやノグチゲラなど、多くの固有種が暮らしています。
Q. 与那覇岳には登れますか?
登山道はありますが、山頂付近は特別保護地区のため立ち入りが制限されています。国頭村は、自然を守り安全に歩くため、ガイドと一緒に登山道を利用することを推奨しています。標高の数字だけを見ると手軽に思える沖縄の山でも、日差しの強さや岩場の滑りやすさは本土の低山と同じではありません。
Q. やんばるをドライブするときの注意点は?
速度を落としてゆっくり走ることです。飛べないヤンバルクイナは、繁殖期の4月から6月にかけて歩いて道路を横断することがあり、交通事故が後を絶ちません。環境省のやんばる野生生物保護センターなどは、県道2号や70号などを走る際、速度を落とすことが事故防止に最も効果的だと呼びかけています。